経済学⑥ 〜マクロ経済3〜

[雇用と物価水準]

AD-AS分析

労働市場も加えた分析

 

AD曲線 総需要曲線

[AD曲線]

総需要は、家計の消費、企業の投資、政府の支出

・物価水準の低下=実質貨幣供給量の増加→LM曲線が右シフト

 

AD曲線は財市場と貨幣市場の両方を均衡させるような国民所得と物価の組み合わせを描いた曲線

 物価が下がる→実質貨幣供給量が上がる→利子率下がる→投資が上がる→Yが増える 

 =右下がり

 拡張的な財政政策・金融政策で右シフト

 

労働市場とAS曲線

[労働市場]

・労働需要は需要者=企業

 古典派第一公準 実質賃金が低いほど労働需要が増加する

・労働供給は供給者=家計

 古典派第二公準 実質賃金が高いほど労働供給が増加する

 

・古典派は名目賃金は伸縮的に働き、労働市場は常に均衡

 ケインズ名目賃金は下方硬直性をもつため、非自発的失業が存在する

 

[AS曲線]

与えられた物価水準に対し、経済全体でどれだけ労働者が雇用され、生産が行われるかを表している

・古典派は完全雇用なので、いかなる物価水準に対しても国民所得完全雇用国民所得で一定。AS曲線は垂直

ケインズははじめは右肩上がりで完全雇用国民所得のところで垂直

 物価が下落しているケースでは非自発的失業が増加するほど総供給が減少している

 

エネルギーなどの原材料費下落によるコスト改善、生産技術の改善による生産性向上などで、AS曲線は右シフト

 

[AD-AS曲線]

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古典派は、財政金融政策によりAD曲線をシフトさせても国民所得は変化しない。

有効需要管理政策は無効。

拡張的な政策は物価水準を上昇させるという効果しかもたない

=均衡国民所得は、需要(AD曲線)に依存せず供給側だけで決まる(セイの法則

 

 

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ケインズは、AS曲線が右上がりの部分で拡張的な政策によって、均衡国民所得が増加する。垂直の部分では古典派と同じ。

 

[失業]

・摩擦的失業 転職

・構造的失業 衰退産業、経済構造の変化に伴う失業

・循環的失業 景気循環、需要不足失業

 

フィリップス曲線 ー 物価上昇時に失業率が低下するという負の関係を示した曲線

・オークンの法則 ー 失業者が減少すると国民所得は増加するという負の関係

 

 

消費、投資、財政金融政策

ケインズ型消費関数では説明できないことも多くある

[消費の三大消費説]

・ライフサイクル仮説 今期の所得ではなく、生涯所得で決まる

恒常所得仮説  恒常所得(定期給与)、変動所得(一時金、1回限りの減税)

 消費は一時的な所得の変動に大きく左右されない

・相対所得仮説

 時間=過去の消費にも依存する(金持ちが所得が減っても急に消費を減らそうとしない) →ラチェット効果

 空間=同じ社会的な階層に属する別の家計の消費に依存する →デモンストレーション効果

 

ケインズは絶対所得仮説

 

[投資]

・加速度原理 投資はGDPの増加分に比例する

トービンのq 株価が投資に影響する

 →負債+純資産÷資産の時価が1より大きい時に投資

新古典派の投資理論 資本の限界生産性は逓減する

 →資本の限界生産性=資本の使用者費用(利子など)で利潤最大化

 

[財政]

政府支出に必要な資金の調達は「租税」と「国債発行」

リカードの等価定理

 国債発行と増税では経済効果に差異はないという主張

・バローの等価定理

 国債の償還が現世代中ではなく子供や孫の代と予想すると、現在の消費を減らし貯蓄する

 

[金融]

ケインズ流動性選考理論では、貨幣需要国民所得と利子率に依存する

・貨幣数量説 ー 貨幣の数量は物価水準と比例する

 古典派では貨幣需要は取引需要(国民所得のみに依存する)と想定する

 →名目貨幣供給量を増やしても、物価が上昇するだけ

 

・k%ルール

 マネタリストは、裁量的な金融政策は行うべきではなく、国民所得の成長に合わせて毎年k%で貨幣供給量を増加させればよいという考え方。ケンブリッジ方式

 

 

後半部分は何がどうやって出るかいろいろ。メインじゃなくても選択肢の中で出てくるので基本的な意味は抑えておく。